栃木弁会話
栃木弁会話第59弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。(2008/1/15）
作成：しおり/ツッコミ：山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。 栃木弁講座はこちら
(1) たますぐり？
山田さん ： 若山さん！梨の出荷終わったがら今は何にも手伝いしていないの？
若山さん ： 今は枝の剪定だげだがら、年寄りだげでたりんだわ。
ふたりでな～がよぐやってっから、おらは近よんねんだ。
山田さん ： そ～け！梨ば～りは秋しか取れないがんね。
若山さん ： おれはたますぐりん時手伝うんだ！こ～だちっけ-のよ！
山田さん ： やっぱたますぐりすんだね。
若山さん ： すっぴや～
解説（しおり）
梨農家の子息の若山さんに家の手伝いについての話で盛り上がりました。
若山さんが手伝うのは、たますぐり。まだ小さいうちに間引くことなんですよ。本当、梨は秋だけしか出回らないので、今は暇のように思いますが、枝を剪定したりあるわけですよね～。
ツッコミ
夫婦一緒で仕事というのもいいですね！梨は大好きです。
(2) とんがらしラーメン
ユミ ： とんがらしラーメンって食べたことある？
エミ ： あら～。あがくってよ、汗だらだらかぎながら食べんだげど、うんまいんだよな。とんがらしぎょーざも食ったよ。
ユミ ： あれさ、商品名なのに栃木弁な。
エミ ： どごが？
ユミ ： とんがらしよ！本当はとうがらしでしょうな！
エミ ： あ、そっか～。ほんだげっとたいした違いじゃあんめ！
解説（しおり）
この二人は別々の所に嫁いだ姉妹です。ユミは都会へ嫁ぎ、エミは地元に残っています。栃木弁を敏感に感じるのは、一旦別の土地に住んだ人ですよね。とんがらしは、りっぱな栃木弁ですよ～。
あら～というのは、この場合の『あるよ』という意味なんですよ。
ツッコミ
離れて見てみると良いところも悪いところも見えてきますよね。
(3) お見舞いの取り決め
利恵 ： きいたげ～？本家のまさやん年末から具合悪くて病院さ行ってんだって！
真知子 ： 聞いたきいた。あんたげお見舞いつけたのげ？
利恵 ： 入院してねんだんべ？入院してねのにやれめ～
真知子 ： そだよな！他の分家の人らもつけてねがんべな？おらっちだげやってねーのやだがんな。
利恵 ： やんねようにすっぺ。
解説（しおり）
親戚のまささんが体調を崩したということで、いとこ同士の二人が話しています。お見舞いをあげる基準が入院したかしないかなんですね。お見舞いをあげることをつけるというんですね～。
ツッコミ
こういう出費で地味に痛かったりする
(4) お正月のしきたり
トミ子 ： い～が、おばちゃんとご行ったらちゃ～んと『あけましておめでとうございます』って挨拶すんだがんな。もうろぐ年生なんだがら。
みーちゃん ： わかってるよ。お年玉の額がかかってるもんね。
トミ子 ： そだよ！いい子にはいっぱいくれっから。口で言うだげじゃダメだがんね、にっこりわらわなくっちゃね。座敷ではきちんとおしゃんこらしてんだがんね。
みーちゃん ： らぐにしなよって言うまででしょ。みーちゃんはお外で遊んでるもん！
トミ子 ： そだな。お客さんいっぱいだがら、子供はできるだけ外で遊んでんのがいいんだ！しんね人にも挨拶すんだよ。
みーちゃん ： 正月はいろいろめんどうくさいね～。
トミ子 ： 日本人はいろいろあんだよ。
解説（しおり）
お正月の年始の挨拶にまつわる話です。6年生の子供を持つトミ子は、みーちゃんに挨拶は口で言うだけでなく微笑みながらしなさい。とか、その家で知らない人にも挨拶をしなさいとかはたまた座敷ではまず、正座しなさいとも。結果みーちゃんはいろいろ面倒だなと。
ツッコミ
笑顔で挨拶一回１万円以上、と考えると頑張れる気がする
(5) あの柚子が欲しい
栄子 ： あんたげの柚子、いいふになってんだないの～。
里子 ： いがんべ！ほんでもとれねど。おらよ、ほっかむりして、屋根ん登ってよ、竹竿でやったんだげっととれねんだ。
栄子 ： 柚子っちゃ、とげあっかんな～。ふんだげっともったいねーね。あんだげあれば、漬物にもいっぱいいれられっけっとね。
里子 ： 取ってみろ、全部持ってっていいがら。
栄子 ： そっけ？おら父ちゃんにゆって、会社がらクレーン車持ってきてもらがら！
里子 ： ！！！
解説（しおり）
里子さん宅には大きな柚子の木があって上の方にすばらしい実をつけているのですが高いところでとれないんです。それを見つけた栄子さんが欲しくていろいろ言っています。いいふというのはいい風にのこと。
ふんだげっとは、だけどの意、もらがらは、もらうからの意です。
ツッコミ
クレーンで攻撃すると木がやられるような…
