栃木弁会話
栃木弁会話第70弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。(2008/12/1）
作成：しおり/ツッコミ：山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。 栃木弁講座はこちら
(1) あかちゃんが産まれた！
西田 ： 山田さんとご、あがんぼうまれたんだって？よ～がったんだないの。
山田 ： はい、ありがとうございます！昨日やっと退院したんです。
西田 ： ほーげ。ほんじゃ今大変だ。奥さんのごと手伝わなくっちゃね。
手伝ってっけ？
山田 ： 僕は、温度と湿度と空気清浄の管理を徹底してやっています！！
たばこも外で吸っています。
西田 ： ！！ほ～げ！だいじにしなっせ！
解説（しおり）
待望の第1子が産まれた山田さんにお祝いを言っている会社の年配社員がいました。
赤ちゃんは、この地方ではあがんぼとなります。山田さんの一生懸命さが手に取るようにわかりますね～。
ツッコミ
「ががんぼ」みたいですね
(2) 留守番電話にあったものは…
自動音声 ： …一件のメッセージがあります。
留守電の人 ： あ、○○の前山だげど、今日○○のおばちゃんとごさ、頭ははぎりに行ってきたんだげっと、や～ぱりでがげんのは無理みて～なんだわ。
やっとごさ居間さ来るかんじだったがら、でがげんの、あぎらめとごれ、
ま、用件はそんだけ。
自動音声 ： …11月17日午後2時～
解説（しおり）
前山さんにこころあたりはありません。何だろうと聞き入ってみたら、こんな感じでした。ご親戚のお婆さんの髪を切りに行ってきた。ということ。みんなで 出かけるのは無理のようです。と。
どこのおばーちゃんのことだろうとはたと考え、間違いだよな～（でもこの辺のお方に間違いありません）
ツッコミ
携帯電話のまちがい留守電だと、違う訛りの人に出会えて感動します
(3) ある病院の待合室で
トミコ ： ずいぶん待ってなさるの？
知らないおばあちゃん ： は～なんだかんだで30分以上ですよ～。わっちは血圧の薬もらいにきただげなのに、せんせにみてもらわなくちゃ薬もらえないがらね。
みてもらうのはちょいの間なんだげっとね。
トミコ ： そですか～。インフルエンザの予防接種の方も多いようですね。
知らないおばあちゃん ： そだわ！あの人らさぎにやっからわっちらの番ながながこねんだわ。
トミコ ： もうすぐですよ～
解説（しおり）
待ってなさるの？は、待っているの丁寧語です。なんだかへんな言葉ですよね。でも年配の方はこういう風に言います。場所は内科医院の待合室。夕方4時ごろ結構混んでいました。
血圧の薬をもらいに来たお婆ちゃんは常連さんですが、先生に看てもらうのはわずかな時間ですが、ずいぶん待たされている。予防注射の人優先なのが腹立たしい様子でした。
ツッコミ
30分～1時間とか待たされても診察5分以下とかザラですからね。宅配ピザってすごいですね。
(4) じーちゃんと孫の会話
千佳 ： へぇ～卓球のアイちゃんが熱愛だって～！！！
おじーちゃん ： アイちゃんってまだ子供だんべや。で、誰と？
千佳 ： 子供っつったってもう二十歳になんだわ。相手はテニスの王子様だよ。
おじーちゃん ： 王子様ってどごの国の？王子様だら文句つけよがねーわな。
おめも王子様めっけでこ！
千佳 ： 私の王子様は、工場で働いているの。今晩デートなんだ～
おじーちゃん ： 王子さまと工場でが？？？
解説（しおり）
あるお宅の80に近いおじいちゃんと20代後半の孫むすめの会話です。朝のワイドショーを見ながら、卓球のアイちゃんとテニスプレイヤーの交際について話がはずんでいるようでした。
○○王子と揶揄することを知らないおじいちゃんは本当の王子様と勘違いした様子。孫にも王子様を見つけて結婚するよう勧めていましたよ。『めっけでこ』は、見つけておいでの意です。
ツッコミ
工場の王子様…作業服でも輝いて見えます
(5) お金持ちの家の前で
裕介 ： こごんちの池にな、たっがい鯉いんだど。
誠 ： 人面魚げ？いぐらぐらいの？
裕介 ： なんだがめずらしい錦鯉らしいんだわ！なんびゃぐまんらしいぞ！
誠 ： で！おら今晩獲りにきてみっかな。いっぱいいんだんべ？
裕介 ： 来て見たら！いっかいドーベルマンがお出迎えしてくれるわ。
誠 ： ほんじゃだめだな！
解説（しおり）
裕介さんと誠さんは、同じ年の子を持つPTA仲間です。交通パトロールに出た日の冗談っぽい会話です。
お金持ちの庭の池に何百万もする高い鯉がいるということから会話がよからぬところへ。
ツッコミ
いっかい、は大きいという意味です
