栃木弁会話
栃木弁会話第83弾をおとどけします。
栃木県北部地方で編集者が実際耳にした会話を脚色なしに載せていますよ。(2010/4/15）
作成：しおり/ツッコミ：山嵐…のまいぷれコンビでお届けします。 栃木弁講座はこちら
(1) ８８ボゴ
忠行 ： なんだが飲みすぎっちったずや。
としお ： なんだい、あさまっからがお～って。
忠行 ： いやよ、昨日おらっちのばっぱのはちじゅうはちぼごでよ、いとごらみーんなあつまったがら、い～きんなってのんだらば 、は～もうだめだわ。
としお ： 飲みつけねがらよ！
忠行 ： あんたはいぐら飲んでもだいじだもんな。
解説（しおり）
「はちじゅうはちぼご」というのは、米寿のことで88歳のお祝いです。
久しぶりに親戚が集まって、飲みすぎてしまった忠行さんに対し「あまり飲みなれてないからね」と、としおさん。
ツッコミ
店や映画の名前ではないんですね。
(2) さといもの種まき
知子 ： あんたんちは～さどいもまいたげ？
里子 ： は～とっくだよ。あんたんちまあだなの？
知子 ： 忙しくってよ、ながながまがさんねっちったんだよ。
ほら、卒業式だ、入学式だの引越しでしょうな。
里子 ： そだわな～。たいへんだよな。なにがら何までだもんな。
さどいも、いまがらまいっちゃいな。てづだうがら。
知子 ： わり～な～。助かるよ。さどいもまがなくっちゃ、にしめもでぎねがんな。
里子 ： けんちんにしてもうんまいよね。なめっこくてね～
知子 ： なめっこいのうちのじーちゃんだいすきだがらね。
解説（しおり）
農家の嫁（50代）のふたりの会話です。里芋の種まきを、まだしていない知子さんが焦っています。
忙しくてまだ…ということで、里子さんが手伝うことに。里芋は、粘りがあって美味しいから必要不可欠！という話をしています。「なめっこい」は粘りがあって、ほくほくしている感じ。
ツッコミ
皮剥く時、手を切りそうになりますよね。
(3) 靴屋さんで…
トミ子 ： あ、すみません、この手で黒ありますか？
店員 ： あ～、この手は、茶色とベージしかないんですよ。黒をお探しですか？
トミ子 ： あ、はい。黒だら何にでもあうがらね。この手はどしたがな？
店員 ： あ、これならあるはずなんで、うら見てきます。
すみません、この手の黒は売れきれらしいんですよ。
黒は一番人気ですから。
トミ子 ： ほんじゃ、いいわ。どうもね～
解説（しおり）
この手という言葉が飛び交っていますが、自分の手というわけではありません。この種類～とか、このタイプで～…と言うときに使います。この会話は、ある靴屋さんで店員に色違いの靴を見せて「このタイプで黒色はありますか？」と会話をしていたのです。ベージはベージュです。
ツッコミ
あの手の黒、おねがいします。
(4) 沖縄の運転手さん
トミ子 ： この辺で人気のあるパチンコ屋に行ってもらえますか？
運転手さん ： ！！ お客さ～ん、沖縄は、内地ほどでましぇんよ。いいですか～？
トミ子 ： いや～本場の海物語やってみっぺと思ってね。出ねくてもかまねよ。
運転手さん ： お客さん、どこから来なさったの？
トミ子 ： 東京ですよ。
運転手さん ： 違うでしょ！言葉がちがうもんね。
トミ子 ： ！！！ 本当は栃木です。東京のすぐ近くだかんね。
解説（しおり）
トミ子が沖縄に旅行に行ったときの話です。きどって標準語を話しているつもりが、東京の人と話し方が違うと見抜かれたんでね。沖海やって1時間。やっぱり一度も当りがこなかったよ。新しい機種も入っていたよ。
ツッコミ
やっぱり分かるもんですね～。
(5) おまんじ
晴男 ： おら、びっくりしたづや。
節子 ： なんだい！
晴男 ： 納品先の受け入れてくれんのよ、外国の人なんだよ。よ、おらがパチンコでモうがった話したらば『今度おまんじ買って来て』ってゆーんだもんよ。
節子 ： 外人でも栃木弁け？おまんじってよ。
晴男 ： おら、今度いぐどき買ってってやんだ。おまんじ。めんごい顔してんだよ。
ブラジルだがってゆってたわ。
節子 ： ほんじゃ仕事にも張り合いがでるわな～。うちらにもおまんじ買って来てよ。
晴男 ： おら、かわいこちゃんにしか買ってこね！
解説（しおり）
会社の休憩時間の会話です。晴男さんが、取引先の外国人の女の子に「おまんじゅう買って来て！」と言われ、にやけています。若くてキレイな外国人に栃木弁で言われ 、嬉しくなっているのですね。
語尾に『よ』を2回繰り返すのも、この辺の言葉です。
ツッコミ
あんこ、お口に合うんですね。
