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わが街・この人

我が街この人 vol.59

彫刻家 野村 慧さん(57歳)

栃木県北地域で、何かに頑張っている人をリレー形式でお届けします。
お名前:野村 慧さん(57歳)
ご職業:彫刻家 
工 房:栃木県那須郡那須町大字富岡(新文化人村内)
TEL&FAX:0287-74-0673
ご紹介者様:鞄職人 「鞄工房510(ごーいちまる)」後藤さん
那須作家協会のお仲間です。
このコーナーでアーティストを紹介させていただくのが6人目となりました。野村さんは、多くのアーティストが集まる『那須新文化人村』にアトリエを構えています。
お生まれは東京で、しばらくはここ那須と東京を行ったり来たりの生活をしていましたが、7年前から完全に那須の住民となったんです。
『原木から扱うので場所が広くないと』ということでこの地を選ばれたわけですが、この新文化人村には30名程度のアーティストがアトリエを持っているので、淋しくはないようですよ。
皆さんは週末だけやって来たり、しばらく住んで、しばらくいなくなったりとまさに自由人。何気ない池の周りに配された石にもアートを感じてしまう新文化人村です。
Whisper
Whisper
女子美術大学を卒業されてから油絵の創作活動を行っていましたが、より具現化したものに対するこだわり、木のぬくもりの魅力から、彫刻家江口週氏に師事し彫刻を始めました。
主に個展を中心とした創作活動を行っています。彼女の作品は、木の持つパワーや、香りがそのまま感じることができます。というのも彫ったあと、色をつけずそのまま『のみ』の形が出ているようなものが多いんです。那須地方ですと、東急ハーベストホテルに『Window』と 『休息と静寂』という作品が置かれています。
Window   ARC-Ⅲ
Window   ARC-Ⅲ
野村さんが使う木は主に『くすの木』です。日本でも南の地方に多い常緑樹です。巨木になることで知られていますが、一説には神秘的な木という意味もあるそうです。
『木は日本の文化になくてはならないもの。魂が宿るともいわれていますので、彫り始め時には祈りをささげてから始めるんです』と。

『この世界は、女性は少ないですね。何せチェーンソーで巨木を切るところから始まりますからね』
でも木と向かい合っている時が至福の時。緑の多いアトリエでも汗だくの作業です。
(1)木場(名古屋)から原木を買い付ける。
(2)チェーンソーで粗取りをする。
(3)デッサン、墨入れをする。
(4)のみ、カンナ、ドリル等を使い形を作る。


『何を造るか構想を練る時間の方が実際彫る時間より長いですね』
日本では、アーティストへのスポンサーと言うのが殆どないといっていいほど。野村さんもアルバイトをしながらの創作活動です。でも打ち込めるものがあるって羨ましいですよね。しかもその資質がある。野村さんの作品に興味を持たれた方、アトリエに電話してみてくださいね。
アトリエには、原木や、作成途中のもの、たくさんの道具が所狭しと並んでいました。
『始めは広いと思ったのですがいつのまにかこんなです』と野村さん。芸術家さんらしいカリスマ性と気取りのないお人柄が印象的でした。