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わが街・この人

我が街この人 vol.76

朱雀窯 荻原 毅久さん(56歳)

栃木県北地域で、何かに頑張っている人をリレー形式でお届けします。
お名前:荻原 毅久さん(56歳)
ご住所:那珂川町小砂3112
TEL:0287-93-0593
URL:http://www.ogiwaratakehisa.com/
ご紹介者様:さかっぱた農園 高見さん
荻原さんは、高見さんの宅配野菜のお客様。始めた当初からの長年のリピーターです。
荻原さんは塩原(現那須塩原市)ご出身。一度企業に就職したものの「陶芸がやりたい」という思いにより退職され会津若松の窯元に急遽弟子入り。
その後4年間の修行を積んで独立。その後那珂川町馬頭の小砂にて「朱雀窯」を築窯し、白磁を作成して今に至ります。
小砂焼きは、色付きの土を使用する一般的に陶器と呼ばれるものですが、荻原さんの作るものは陶磁器です。灰も残らない1300度近くの高温で焼き上げます。
磁器は、陶器に比べて丈夫なのが特徴です。関東ではなかなか珍しい白磁を作るに至った理由は荻原さんの師、瀧田氏が白磁の陶芸家だったため。…ですが、今では白磁の魅力にすっかりとハマっていらっしゃるご様子でした。
朱雀窯を築いて28年が経ちますが「未だに修行中です…」と荻原さん。自分が作ることでせいいっぱいなので、教室などを行う予定は無いとのこと。また「こういうものを作ってほしい」等のリクエストも受けられません。
「白磁を作ることが生きがいなので、自分が作りたいものしか作りたくないのが本音です…」と笑いながらお答えくださいました。
「白が持つ美しさを表したい」という思いにより、荻原さんの作品のほとんどは他の色を使わない白磁です。また、芸術作品ではなく「日常で使えるもの」がモットー。
ご自宅で使用されている食器は、全て荻原さんお手製のもの。左写真のプリンは奥様お手製。前回ご紹介した高見さんの卵を使用しています。ごちそうさまでした!
磁器の材料は石を砕いて水と攪拌(かくはん)してつくった粘土です。荻原さんは、九州から仕入れているものを使用しています。
粘土を練る機械は、さびに強いものを使用しています。鉄製だとサビが発生してしまい、それが粘土に付着すると白磁としては致命的なものとなってしまうため。
真白な磁器に一つでも黒点が入ると、それだけで作品価値はなくなってしまいます。
機械で練るのは、割れの原因となってしまう気泡が入らないよう真空状態で作成するのが好ましいためです。作成した粘土は箱に入れて保存してあります。
作品を作る頻度は、大体2~3か月程度かかります。というのも、大きな釜を使用して焼き上げるためにできるだけ多く作り、中をいっぱいにしてから焼くため、作りだめが必要となります。その量を作成するのに時間がかかるのです。
ガス窯にてまず、800度弱で素焼きをし、絵をつけたり薬をつけたりした後に1300度程度で本焼きをします。
本焼きの時間は、およそ18時間。燃料代もバカにならないため、一つ作っては焼き、というのは非効率的なんですね。
窯元を訪れるお客さんは様々で、それによって売れる作品もさまざま。ある一定のものばかり売れるわけではなく、まんべんなく作品が売れていきます。
「作る側としては、次は皿、次は器、と変えられるのでありがたい」と 荻原さん。たしかに小皿ばかり、ではさすがに飽きてしまいますからね。
ちなみに、作業しながら良く音楽を聞くそうですが、ベストなのは「モーツァルト」。煩さを感じず作業に集中できるそうです。
素敵な奥様と3人のお子さんに恵まれ、自然豊かな栃木県にて仕事兼趣味の白磁をつくる…一企業に勤める社会人からすると、なんだか憧れてしまいます。
「普段の生活を送りながら、お店や美術館などを見ては様々な分野のものからアイデアを探しています」と荻原さん。常に吸収し続けることって大切ですよね。
今回は、まいぷれ那須の取材にご協力いただきありがとうございました!
作品は、朱雀窯または個展にて販売しています。 窯元で見かけましたが、引き戸等、ワンポイントで白磁を使用していたりと芸が細かい!
荻原さんは、年に2~3回ほど関東圏を中心に個展を開いています。ぜひご覧になってみてください!

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