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みんなのエッセイ

邂逅(かいこう) 鳥越九郎

邂逅(かいこう)というむずかしい言葉があるが、『めぐりあい』という意味である。

 "しんにゅう"が付いているから足で歩くことを表している。つまり『めぐりあい』ということは、いろいろなところへ出かけて行くことが前提なのかも知れない。
 
 ところがそうでもないことがあるのである。
もちろん全然知らない人に合うこともあるが、毎日決められた職場や、学校で同じようなことをしていても、突然その時がやって来ることがある。

 顔ぐらいは知ってはいても、声をかけたこともない人から話しかけられ、人間関係が突然できることもある。もったいないことに、固定観念や、外観で他人を決めてかかってしまい『めぐりあい』『出会い』を初めから拒絶してしまう人が多い。
 最近は情報化といわれて、かえっておびただしい情報の氾濫をいやがり、限られた仲間内だけの人間関係を必死で守ろうとする若者達が増えているようで心配である。本当にもったいない。

おもしろい話をしよう。

 製造業がどんどん中国へ移動してしまい、日本国内には何も残らないのではないか。私は、そんな危機感を持って、新しい技術を知りたいと思っていた。
 その矢先、ひょんなことから『オゾン』というものを利用している会社に出合った。『オゾン』の名前は知っていたが、内容は全く知らなかった。

 何か予感がして、私はすぐ図書館や本屋に行き『オジン』じゃない『オゾン』の専門書をむさぼり読んだ。森林のオゾンから始まり殺菌や漂白、洗浄まで。なるほどおもしろい技術である。
 
 オゾンの生成方法もいろいろあることが判り、仕事としてやってみたいと思い始めた。ひょいとその本の著者を見ると、何と私が卒業した大学の教授ではないか。それならば会ってみたいとみたいと思い、インターネットをサーチしてやっとその教授のメールアドレスを捜し出し『お会いしたい』とメールを送った。


 さて、次の日は朝から別件で上京するはめになった。午後からの約束だが、早めに行っていろいろなお得意さんへごあいさつでもでもしようと、新幹線に乗ってから連絡してみると無愛想にもみんな『ダメ』という。
 
弱ったなぁと思いながらカバンを何気なく開けてみると、後で読もうと思って切り抜いておいたオゾン発生機の新聞記事が目についた。読んでみるとおもしろい。なかなかハイレベルな装置である。専門書の中で、これからの主流になるべき発生法として紹介されたものを使った装置であった。
 時間もあることだし、都内で近い場所だ。ダメでモトモトとTELをして見た。応対した人は、年配らしい声であった。何とその会社の社長だった。
 後で判ったことだが、自らTELに出ることは殆どないという。たまたまその日は誰もいなっかたという。しかもその日に限って多忙を極めるその社長がたまたま予定もなく、会社にいたのである。私はすぐに訪問するとし、電車を乗り継いで訪ねていった。


 何と社長はその道の先駆者であり、特許を多く持っている技術者であった。
 私の提案したビジネスも斬新性があったのか興味を示されて、昼食まで誘ってくださる。私も燃えるような興奮を覚え、延々と話し続けた。4時間近くも話しつづけ、お互いに仕事の上で協力しようということになった。たった4時間前に初めて合ったばかりなのにである。

―――これは偶然なのだろうか?何でいくつもの偶然を重ねて会えたのだろうか。私はこの時、運命だったのではないかとさえ思えた。しかも夜遅く帰宅してみると、私のメール帳に母校の教授から返事が来ていた。

『お会いしたい』

とのこと。今の私は、『オジン』ならぬ『オゾン』に手招きされているようだ。
~この後の話はまた機会があればお話をしましょう。~


情報というものは、すごいものだしすばらしいものだ。いやいや一方では、情報の力というものは鈴木宗夫議員や、辻元前議員などのオソロシサも持っている。

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